CentOSでストレージサーバ(RAID5)を組んでみる – その1(構想・ハードウェア構築編)

4年前のmini-ITXブームに乗っかって作ったサブ機が埃を被ってる。サブ機と言っても当時としてはそれなりのi3コアを載せてるし、マザーボードも悪くない。有効活用できないかなーと考えていたところ、友人からストレージサーバへの転用を勧められトライしてみることにした。丁度サーバ構築の書籍がKindleセールで割引きされていたので購入。

実践!CentOS 7 サーバー徹底構築
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結局、この書籍とWEBの情報を頼りに進めてみて冬休み12連休をほぼ使って完成!!それなりに大変な作業だったため備忘録を残そうと思う。結構長くなったため以下3つの記事に分けて記載。

  1. 構想・ハードウェア構築編 ←この記事はここ
  2. OS導入・ソフトウェア設定編
  3. 不具合解析とその後の処理編

RAIDの構成

RAIDとは複数台のハードディスク(HDD)を組み合わせることで仮想的な1台のHDDとして運用し、冗長性を向上させる技術。ストレージサーバではRAIDが当たり前に使われるが、RAIDに対する自分の知識は「冗長性があるんだよね」「レイドと読むんだよね」くらいしか無かったためはじめに調査。

RAIDレベルを選択する

RAIDには。

ソフトウェアRAID or ハードウェアRAIDを選択する

今回はi3コアが使い回せるためSW RAIDでも実用に耐えられそうだということと、初めてのLinuxマシンで不安だけれど情報が潤沢だということからSW RAIDで組むことにした。

OS(Linux ディストリビューション)

windows Serverなどの有料製品を使う予算は無いし、Linuxの勉強も兼ねているためLinux一択。その中でディストリビューションを検討した。

ストレージサーバやファイルサーバでggってみると、ディストリビューションとしてCentOSなるものがヒットする。あまり聞いたことは無かったけど、サーバ界隈ではデファクトスタンダードのようだ。友人はUbuntuで組んでいたが、書籍やWEBページなどの情報量が雲泥の差で、また自分はLinuxに慣れておらずいつも通り独学になるため情報量の多いCentOSを選択することにした(それで、はじめに紹介した書籍を買いました)。

ハードウェア構成

使い回しするパーツ

サブ機のパーツをそのまま流用。新規購入品は増設するHDDのみ。主要パーツは以下。

このとき気付いたことだが、このケースはmini-ITXケースとしては珍しく3.5インチベイ(2.5インチ共用)が3つもある。更に5インチベイと2スロットタイプのグラボ搭載スペースまであり、見かけによらずスペースが広い。5インチベイとグラボ搭載スペースに3.5インチHDDが載せられれば3.5インチHDDが5つ搭載可能で、小型ストレージサーバケースとしてこれ以上無いほど向いていた。

流用に伴いマザーボードのCMOSクリア(BIOS初期化)を実施した。これで接続デバイスの情報や起動順位、ファン速度、OC等の設定が初期化され作業がスムーズに進む。また使用していたHDD(500GB)はTV用のストレージデバイスとした。OSが入っていたが、WinのOSが入っていようがLinuxのOSが入っていようが他のシステムから見ればただのデータなので、特別なことはせずそのシステムでフォーマットすれば良い。

HDD容量と台数

現在あらゆるファイルを3TB×3台で管理していて、良くも悪くも必要十分。今回はこの環境を引き継ぎたいため実効容量を9TB用意することにした。これらのHDD 3台を流用するとして、追加購入台数を検討する。

RAID5では実効容量がHDD台数-1となるため、3TBのHDDが4台必要。またスペアを用意する場合は+1台となるため、3TBのHDDが5台必要。計2台のHDDを追加購入する。ちなみにRAIDはアレイ内で一番小さい容量のドライブに合わせて構成されるため、追加分も3TBのものにする。また同じメーカー、もっと言えば同じ型番で揃えたほうが不具合が少ないらしいので、これまで使っていたWestern Digital製のWD30EZRZ-RTを用意することにした。ただここで気を付けないといけないのは、同じロットのHDDを複数台用意するのは極力避けるということ。同じロットのHDDは壊れるタイミングが重なる可能性が高いため、冗長性を持たせるためにRAIDを組んだ意味が無くなってしまう。とは言ってもこれまで使っていたHDD3台は組み込むしか無いのだが……。1, 2, 3台目は1年前に購入したもので、うち2台はAmazonでまとめて注文した気がする。SMART情報を見てみたけど電源投入回数がバラバラだったので大丈夫かな。追加2台はそれぞれ別のお店で購入しておいた。

尚、流用する3台のHDDはWin環境で「ディスクの管理」からボリュームを削除しておいた。CentOS上でフォーマットすることになるのだが、念のため。。。

SATAケーブル

SATAケーブルも型番まで合わせた方が良いのかなと思ったけど、対応速度が同じなら問題無いらしい。なので6Gbpsのケーブルをかき集めて、足りない分は以下のケーブルを購入した。コンパクトに配線したかったので短い30cmタイプを買ったのだけど、これが大失敗。短すぎて筐体に這わせて配線できず、空中配線になってしまった。またL字タイプのものにしたがこれも失敗。mini-ITXケースはスペースが狭いため無理やり曲げざるを得ない箇所もあり、通信品質が懸念される。事前確認はしたのだが、各種電源など繋いだ後の確認が必要だった。SATAケーブルも安くはないしね。。。

ケースファン

HDD冷却のために計4基のケースファンを用意。オーバースペックな気がしないでも無いが、HDD故障の要因は物理的な衝撃を除くと殆どが「高温環境下での使用」だそうだ。最適温度などは別途URLを参照して記載する。

USBメモリ

・RUF3-PW16G-YE
・RUF3-PW16G-BL
次回以降の記事で記載するが、結局OSはUSBメモリにインストールした。
メーカーは信頼しているSanDiskかTranscendが良かったが、近所の家電量販店に無かったため断念。
まとまった時間の取れる冬休みだったため、当日試せることを最優先事項としてUSB3.0対応でリーズナブルなこれを選択した。

組み立て

HDD5台をmini-ITXケースに

その他購入した周辺部品

HDD用のSATA電源増設用。

AINEX シリアルATA用二股電源ケーブル [ 15cm ] S2-1501SAB
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HDD用のSATA電源延長用。

AINEX シリアルATA用電源延長ケーブル [ 30cm ] SA-047SA
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HDD用のSATA電源増設用。

AINEX SATA用電源3分岐ケーブル 下L型コネクタ [ 23cm ] S3-1504SALA
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マザーボードのUSB 3.0コネクタから端子を引き出すケーブル。以降の記事で書くが、最終的にOSをUSBメモリにインストールすることになったため使用した。筐体にUSBメモリを刺すと物理的な破損リスクが高まるし、何よりコンパクトにまとめたかったため購入。

AINEX ケース用USB3.0ケーブル [ 7.5cm ] USB-015
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USBポートは使用しないため保護のため購入。安かった。

AINEX コネクタカバー 取手付 [ USBメス用 (A x10) ] DC-104A
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5インチベイに3.5インチベイを固定するため購入。金属で出来ているため冷えそうで良し。

アイネックス 5インチベイ用 SSD/HDD変換マウンタ HDM-32
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電気絶縁・耐熱テープ。冷却ファンやケーブルを固定するために購入。

uxcell 絶縁耐熱テープ 高耐熱テープ ポリイミドフィルム製アンバー 10mm広さ 28m長さ 接着剤テープ