4bit CPU – TD4について

4bit CPU – TD4について

TD4初記事です。下記目次の通りお話したいと思います。

TD4とは?

TD4とは、「CPUの創り方」という本で最終的に完成するCPUの名称です。TD4の構成は、

  • 4ビットレジスタ×2
  • 4ビット出力ポート(LED)×1
  • ALU: 4ビット加算
  • クロック: 1Hz / ステップ動作
  • 4ビット入力ポート(スイッチ)×1
  • 8ビットROM(スイッチ)×16アドレス(最大)
  • 命令種:13

というシンプルなもので、RAMは無く、当然ながら割込み機能もありません。命令フェッチ→デコード→実行→ストアをクロックに合わせて繰り返すキカイです。製作の目標は「ラーメンタイマーのプログラムの実行」。最近、袋麺にハマっているので丁度いいかな。当然ですが、ラーメンタイマーが欲しくて製作するわけではありません。

その他、基本的なスペックやCPU構成要素の実装方法など、こちらのページが分かりやすくまとめられております。興味のある方は是非。

 

■どのように製作する?

TD4は、巨大なユニバーサル基板上にダイオードや汎用ロジックICをひたすらに並べることで完成します。どうか先人達の完成品を見てみて下さい。Google画像検索で「CPU TD4」と入力すると目が痛くなるほどの画像が飛び込んできますが、やはり相当な労力を要するようですね。今からとっても気が重いですね。

以下に回路図を。こちらのページから拝借しました。大変そうな右上がROM周りで、部品を置き換えて楽をしようかと考え中。この回路が一発で動作することはないと思いますが、「CPUがなかなか動かなくて」なんて悩み、結構シブイじゃないですか。CPU_TD4

 

■製作に至った経緯

TD4のCPUとしての実用性はゼロ。数千円でギガヘルツのCPUが手に入る時代にわざわざCPUを自作するメリットなんて全くありません。なのに何で作るのか?

それは男のロマンでしょうか・・・。

「俺はCPUを作ったところがある」なんていう一生有効な心の肩書き(?)を手に入れるためです。まあ、敢えて挙げるなら以下の2点。

①「CPUの創り方」 著者の言葉に感銘を受け、CPUアーキテクチャを知りたいと思った
著者はこのように言っています。

…えーと、CPUに限らないんですが、仕組みが解った方が世の中とか人生は楽しいです。そう思います。だからのこの本を書きました。この世の中にはブラッ クボックスがたくさん存在します。そして全てのブラックボックスを理解するのは不可能です。が、とりあえずあなたにとってのブラックボックスが1つ減った ならば、私はとても嬉しいわけです。

仕組みが分かると面白いです。私は時計も、機械式が好きです。歯車がこうかみ合って、こう動く。楽しいじゃないですか。やりたいことを探していた自分には、著者のこの言葉が刺さりました。尚、本書は電子工作界隈ではカルト的な人気があり、一時のブームは去ったものの、今もなおTD4関連のWEBページが生まれては消えているよ うです(当然、このページも例外ではないですね(笑))。

②映画「イミテーション・ゲーム」を観て、コンピュータ製作に浪漫を感じた
本作は、第二次世界大戦中にエニグマ暗号の解読に取り組んだイギリスの暗号解読者アラン・チューリングを描いたもので、ストーリーも素晴らしいのですが何よりエニグマ暗号解読装置が格好いい。
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現在のコンピュータの原型になったものですね。エニグマ暗号の鍵は「159,000,000,000,000,000,000通り」なので、TD4はおろか現在のスパコンでも太刀打ちできません。どのように対応したのか?是非本作を見てみて下さい。

 

■今後の動き

次回はTD4の設計計画を立てていきたいと思います。実際に作りはじめるのはいつになることやら。あ、いい忘れていましたが納期は今年中です(笑)まったりいきましょう。

CPUの創りかた

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